エルムタージュ正面 佐々木

トゥモローランドの顔として、多くの業界人から一目置かれていた佐々木康裕さん(通称 =みみおさん)。2011年4月、震災直後にもかかわらず、29年勤めたトゥモローランドを 退社して独立。香り関連商品の卸ビジネスをスタートしました。そして、12年3月、ついに 青山に直営店「エルムタージュ」をオープンし、13年4月には六本木ミッドタウンにも店を 開きました。世界を飛び回るみみおさんにお話を伺いました。

何故 、エルムタージュを始めたのですか ?

そもそもトゥモローランドに入った時は、衣食住のライフスタイルブランドを標榜して いた「ギャルリーヴィー」をやりたかったんです。それこそ鉛筆から食器、椅子やス タンドライト、ポスター、写真集まで扱うライフスタイルブランドでした。でも配属は 「マカフィー」(笑)。もともとサザビーが好きで「アフタヌーンティー」に入りたかったんですが、募集もしていなくて。洋服だけじゃなく、いつかそういう事をと思ってました。洋服だけを考えると日本においては、20世紀に完成されちゃった。でもヨーロッパ に出張行きながら感じてたんですよね。彼ら(欧州人)の人生を謳歌し、生活を楽しむこと。それを日本で形にできたらと思いました。リーマンショック後、日本も上辺やバブルでなく、本質で見られる時代がやってきたと。そして大震災後は、地に足を付けた生活が大切だと理解し始めた。もう大人は服でワクワク感を得られない。だからと言って、ありきたりの雑貨屋ではダメだと思い、服以外のモノに拘って、ワクワク感を作っていきたいと考え、始めたん です。最初は11年6月の卸の展示会から。そして「香りのある生活」をキーワードにオープンさせた本店はユニセックス対象でリネン関連やオリーブオイル、スパイスといった食関連と食器類、シンプルな服やアクセサリー、ジュエ リーも扱っています。ミッドタウン店は大人の女性をターゲットに内装も少しフェミニンにしました。

エルムタージュ5 エルムタージュ2エルムタージュ1

今のセレクトショップや業界をどう見ていますか ?

セレクトショップは、みんなご立派になられてね。 僕はご立派になれないタイプだから(笑)。企業化 されちゃったから全部が予定調和になる。本当は そうならないことを恐れないことが大切だと思う。 ファッション業界が時代を引っ張っていた時もあったけど、今は無いよね。マーケティングして何が売れるかでなく、カルチャーを作る使命感が無いと つまらない業界になっちゃうよ。昔在った良いところを見直すだけで、もう一つ成長できるんじゃないかな? それから日本は進化したイタリアのようになれるんじゃな いかなと思っている。自治体が強くなって、産地やモノづくりの人たちと一緒になって活性化すればね。

エルムタージュ6 エルムタージュ4 エルムタージュ3エルム4

今後の予定は ?

現在、独占で扱っている商品は、アロマキャンドルやオードトワレの「マド・エ・ レン」(仏)、香水の「イストワール・パルファム」(仏)、香水、スキンケアの「ロスマ ーク」(仏)、石鹸の「コンフィアンサ」(葡)、バスソルトやリネンミストの「ライス&ボ ニー」(米)、ヨットの帆をリユースしたバッグ「ヴァン・デ・ヴォヤージュ」(仏)など 10ブランドです。
これにオリジナルのアクセサリー・ジュエリー「エルムタージュ」を8月末にローンチします。9月のギフトショーに出展して、11月には卸向けの 個展も開く予定です。
http://www.heroomtage.com