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レディスブランド「イリアンローヴ」やニットのODMなどを手掛けるイエリデザインプロダクツは9月10日、メンズの新ブランド「イイザローン」のショーを行いました。新ブランド発売の狙いなどを手塚社長に聞きました。

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新ブランド発売の狙いは?

レディスニットのOEM、ODMが主力の事業でしたが、小売業のPB(プライベートブランド)などでもニットがたくさん出てきて、価格帯も厳しくなり、危機感を抱いています。そういう中でトータル化をするにあたって、メンズであれば私自身がよくわかるし、トライしていくには良いだろうと判断しました。私が勉強しない限り、進まないと思ったのが、きっかけです。

またヨーロッパモードに辟易していたのも理由の一つです。自身の実感として60万円もする革ジャンは着ないよなと。財布に優しいオシャレなものを作っていきたいという想いもあったのです。ちゃんと買ってもらえる価格にしようと。ですからレザーものやジャケットなどでは、原価率の高いものが多いですよ。将来的にはレディスや子供もやるつもりです。

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今後の課題は?

今まではBtoBしか知りませんでしたが、これからは消費者が見て決めていく時代だと思います。2015年2月にオープンする表参道ヒルズの店では、お客様の声を聞いて商品化していこうと考えています。我々はデザイン会社だと思っています。そのデザインを通じてユーザーとどう繋がっていくかが問われているのだと。

例えば取引条件について考えると、買取が絶対というのも変えていかないといけない。委託でも買取でも、要はプロパーで消化する物作りができているかが問われているのだと。結果プロパーで消化できない、つまりお客様が求めていないものが、大量に捨てられていく業界というのを考え直さなきゃいけないという事です。

今、様々な業界の方々と話し合って、服から服(の原料)へのリサイクルを実現できないか模索しています。そうやって未来に21世紀のファッションの在り方を作っていかなければならないという使命感があります。

イイザローンというブランドは、そこまで見据えて、一つの先行事例にしていきたいと考えています。

http://www.ieri.jp

このプロジェクトの先には、もっと大きな枠組みでのチャレンジがあることを匂わせる手塚社長の想いには、アパレル業界に身を置く者の使命感と夢を語ることの大切さが滲み出ていました。

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