ロアーズ外観

バイク乗りが一目置くショップが西麻布交差点から青山墓地方面へ北に上がった一角の裏通りにあります。その名は「ROARS ORIGINAL(ロアーズオリジナル)」。バイカーズ御用達と思いきや、そのストイックな物作りに魅せられて、バイクとは無縁の服好きが半分ほどを占めています。
ロアーズ高橋ロアーズ内観3

ロアーズ内観2ロアーズ内観1

仙台で店をスタートさせたピープの高橋生児さんは、もともとバイクの整備士をしていたそうです。その後 25歳で独立し、仙台市一番町に13坪の店を構え、古着やプリント物のオリジナルを作って販売をスタートします。そうこうしていくうちにオリジナル商品が受けて、仙台を離れる頃には全てオリジナル商品の構成になっていたそうです。通販もしていたのですが、あまりにも東京のお客さんが多く、「それなら東京で」と上京を決意。
0 7年に南青山のフロムファースト通りから少し入った裏手に店を開き、08年から文化服装学院の夜間部に通って服作りを3年間学んだそうです。しかし南青山の裏通りにも店が増え、バイクが置きづらくなり始めました。「探して来てくれるお客ばかりなのだからと、思い切ってバイクも置けるような場所を」と思い、10年に西麻布のひっそりとした裏路地に移転し、現在に至っています。
高橋さんはファッションも好き、でもバイクも好き。そんな人に向けて、機械としてのバイクを組み立てるように服も組み立てる感じで作ったりしていたそうです。「バイクの何が好きかよく考えるのですが、ギア的な要素が好きなんだと思います。バイクを乗る時の格好が武装しているような感じで、危険に満ちていて非現実的に思えた。そんなところに惹かれました」と朴訥に語ります。
「アキラ」などの東京アニメカルチャーに傾倒し、店舗のバックパネルはアキラ風のビルが林立する都会の寂寥感が描かれています。イラストはグラフィックアーティストのハイジャンパーさんで、ホームページに登場する絵本も描いています。
ルックブックも毎回想いを込めて企画します。13年春夏は「ジャンクションボーイズ」がテーマで、都会に張り巡らされた高速道路の未来感を写真の加工で表現。13-14年秋冬は「バイクの山」をテーマに「バイクをいじっていた頃の楽しさを思い出して、部品の山に表わしてみました」と。

ロアーズカタログ2 ロアーズカタログ1

ハイジャンパーのイラストと高橋さん

ハイジャンパーのイラストと高橋さん

さて、肝心の商品ですが、袖を外してベストにもできるジャケットや馬乗りが付けていたチャップスを短くして短パンに組み合わせたりと、機能とデザイン性を併せ持つアイテムを開発しています。防水や透湿などの機能素材を使い、袖付けなどでもマチを付けずに肩袖の付け方で動きやすくするなどしてスポーツバイクに乗りやすいパターンにしています。したがってハーレーのようなアメリカンタイプのバイクには向かない商品のようです。またブラックのライダースジャケットはソフトな水染めの牛革を使っています。当たりが出やすいので表のポケットはすべてダミーで、価格は90,300円(税込)。タウンユースでも普通に着られて、バイク乗りにも納得のいく機能性を兼ね備えた商品群です。

今後の夢は、東京コレクションへの参加だそうで、「来年辺りからインスタレーションでスタートしていきたい」と語ってくれました。

http://www.roars.jp

ロアーズヒット