プルッシュー2013SS

プルッシュー2013SS

大阪から東京、そしてパリへ

自然の中に馴染んで溶け込むような服作りをする「plussyu(プルッシュー)」は、シューインターナショナルの辻本修嗣さんがデザインするブランドです。

辻本さんは1949年、大阪生まれの大阪育ち。学生時代、建築関係の父親の仕事を手伝う際に、自分でミシンを踏んでタオル地のランニングを作り作業着にするなど、もともと洋服への興味はあったそうです。大学は経営学を専攻しつつも、グラフィックや絵を描くことが好きだった為、大学卒業後、大阪モード学園(2期生)に進学。卒業後は、大阪のアパレルに就職後、上京し「テタールシュー」というブランドを立ち上げ、ファッションショーなども開くまでになります。

しかし洋服といえば、本場はヨーロッパ。本物への尽きない想いとそれらを含めた背景となる文化を見聞したいと渡仏を決意します。当時28歳、77年の事でした。フランス語学校に通い、その後オートクチュールを教えるクップ・ド・クーフという専門学校に通い始めます。カルチェラタン、オデオン座の近くに住み、パリの空気を思いっきり吸収しました。

ananに掲載されたテタールシュー

ananに掲載されたテタールシュー

ニューサーティーの仲間入り

4年のパリ生活を終え、帰国した修さんは1年後、現在の会社を立ち上げプルッシューを始めました。ちょうどこの頃から「ニューサーティー」の言葉が業界紙の紙面を飾り始めており、日本の素材を中心に「時代を経ても色褪せない、長く着ていただけるシンプルで素材とパターンを大切にした服を作りたい」と5件の取引先からのスタートでした。

シュー1

人生を変えたパリでの暮らし

辻本さんに影響を与えたのは、やはりフランスでの生活そのものでした。「伝統や歴史を大切にする文化などフランスでの暮らしによって培われたものが自然と自分の中に入ってきて、現実として見えてきた気がします」と語り、「日本の教育では数字や形に捕われ過ぎて、セオリーが決まっている。フランスでは、そういった事が一切無くて、デザイン画からそのまま作れと指示される。見よう、見まねでシーチングして、画通りに出来上がれば良い。作る人の個性が出るのです」と、その自由で奔放なスタイルから生まれる独創性が成長期の団塊世代の自由な空気感とマッチしたのかもしれません。

パリ生活を満喫する

パリ生活を満喫する

専門店オーナーから学ぶ

3年目位から徐々に取引先の専門店も増え、別注素材もこなせるようになる中で、今は無きある専門店の社長との出会いが大きな転機となったそうです。展示会に来る度に消費者の事、マーケティングの事など、今までにあまり考えもしなかった視点を話してくれ、時間が過ぎるのも忘れるほど、話し合い、また学ぶことが多かったそうです。
そして2000年に出展したインターナショナル・ファッション・フェア(IFF)も、新しい取引先との出会いの場として転機となったそうで、今も続いている大切な知己を得たそうです。

プルッシュー2013SS

プルッシュー2013SS

より上を目指す

 

すでに団塊世代もリタイアする時期に入っていますが、「働ける限り、お店への恩返しのためにも、いい物をさらに大切に作っていき、素材でもパターンでも、より上を目指していく」と決意を語ってくれました。

シューインターナショナル TEL 03-3486-0489

素材とパターンにこだわる物作りで、ここまでやってきた

素材とパターンにこだわる物作りで、ここまでやってきた