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今週半ば、東京・表参道のアニヴェルセル表参道で、プレス向けに「ボルドー/ボルドー・シュペリュール・テイスティング・ランチ」が開かれた。
ボルドーといえば、フランス最大のワイン生産地であることは良く知られているが、高級ワインの産地ブルゴーニュと比較してみるとその規模は歴然だ。ボルドーが12万haなのに対して、ブルゴーニュは2.76万ha、ローヌが7.7万、ロワールが4.85万、ラングドックが3.83万だから、桁違いに大きいのだ。
今回のテイスティング・ランチには12のシャトーとネゴシアンが参加し、各々の特徴をアピールしていたが、やはりボルドー一般となるとクオリティーがそこそこで、比較的安価で安定したワインの供給地というイメージがある。
一方でブルゴーニュの方が価格も高く、イメージ戦略で先行している感は否めない。
こうしたクラス感が、どのように植えつけられてきたのか。そこにフランスの強かさと戦略を学ばなければいけないと思う。
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EUの統一基準であるAOP(原産地保護呼称)制度になる前から、各国でAOC(原産地統制呼称)やDOCといった原産地呼称を義務付け、トップからボリュームまでのカテゴライズを明確化してきた。このことにより、ランクがはっきりと分かるようにした訳だ。最高級の限定的な地域(例えばポイヤック、ポムロル、ヴォーヌロマネなど)、それより少し広い地域(例えばボルドー、ブルゴーニュなど)、上記AOP以外の地酒(Vin de Pay)、そして産地が分からないテーブルワインとクラス分けされている。細かく言えばもっとあるのだが、切りが無いのでこの程度にしておく。

さて、翻って我がファッション業界はどうだろうか。そう、フランスはパリコレという世界最高峰のファッション情報発信拠点を用意し、同時期に多くの合同展示会やショールームを開催し、世界中からデザイナー、バイヤー、プレスが集結するプラットフォームを用意したのだ。この事がパリコレのヒエラルキーを保ち、世界のファッションキャピタル(首都)ならしめている仕組みなのだ。
ランク付け、クラス感をセットすることで、自らが何者で、どの地点にあるのかを明確化する。そういう基準=物差しを準備し、世界にそれを押し付けることで、自らの優位性を確保することになる。その事を我々はもっと学ぶべきだろう。
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