5月下旬から6月に掛けて、大手セレクトショップのプレス向け秋冬プレビューが開かれた。
各社とも、スタイリストや編集者に向けての大切なアピールの機会とあって、担当バイヤーやディレクターが揃って熱心に説明していた。

特に目立ったのは、やはり2020年に向けて盛り上がるであろう「スポーツ」のテーマだ。シップスがスポーツの括りでラインナップを揃えたり、ユナイテッドアローズの「アンルート」ように明確にスポーツを謳ったショップブランドがお披露目をしていたりと話題には事欠かない。もっともアンルートは仕入れの部分でモードっぽさが強烈に感じられるプレゼンテーションだった。ジュンのナイキとの新業態「ナージー」も話題性抜群だ。
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アンルート                 ナージー

伊勢丹メンズスポーツは、なんと女性バイヤーが担当。彼女の感性でなんともキッチュな寝袋が。
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エストネーションのメンズ一押しは、イタリア物のアウターに使われているこのゴワゴワした素材でなんと日本製。北陸産地の大手企業によるものだ。

ベイクルーズの「エディフィス」ではマークマクナリーとのコラボのネルシャツが脇部分をキャッチーなイエローで切り替えて新しさを感じさせていた。
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ビームスのメンズカジュアルは90年代後半をフィーチャーしてリバランスをテーマにMDを組み立てていた。

セレクトショップではないが、伊勢丹メンズのプレビューでは、コートとのセットアップが大々的に押されていた。いくつものブランドと別注を作って打ち出している。
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インターナショナルギャラリービームスでは、ロンドン在住の中韓デザイナーにもフォーカス。筆者もパリの展示会でヨーロッパベースの中韓デザイナーの台頭をひしひしと肌で感じることが増えたように思う。彼らがかなり力を付けてきたという事だ。
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レイ・ビームスは東京ボヘミアンがテーマで、ノマドのテーマと被って見えてくるのは筆者だけだろうか?
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ビームスの中でECのみに絞って展開する「カロリナ・グレイサー」は、シンガーのMEGがディレクションするブランドで、もう古い付き合いのマゴ(南馬越一義)さんが担当しているが、一気に売れる感じが普通のセレクトのビジネスとは違うと新たな発見の日々らしい。
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ビーミングライフは定番でジャパンメイドを揃えた。だが、ジャパンメイドを集めようとして、そうなった訳ではなく、ビーミングの定番を突き詰めたらジャパンメイドになったという事らしい。

アッシュペーフランスでは、今年30周年を記念したコラボアイテムの数々を仕掛けていくそうだ。
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アダストリアホールディングスという大手の傘下での統合が進んでいくと、かつてセレクトショップというポジションだったバビロン、サロン・デュ・ラ・トリニテでもオリジナルが増えそうだ。

シップスは、プレスルームを移転してワンフロアでメンズ、レディス、キッズ全てをお披露目できるようになり、利便性が高まったと言えそうだ。

アバハウスインターナショナルのデザインワークスは、欧米からのバイイングにおける差別化が難しい中で、オリジナル商品での差別化に一段と磨きをかけていく事だろう。
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シップス                デザインワークス

ベイクルーズの「プラージュ」は、辺見えみりさんがガッツリとバイイングしているそうだ。頼もしい!
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という事で、この時期一気に見て回るセレクトショップのプレスプレビュー。やはり担当者の熱のこもった解説が、どれだけ心に響くかによって掲載の多寡が決まるではないだろうか。