先日、社長を退かれ取締役会長に就任された東京ソワールの萩原富雄さんにお会いする機会があり、お話を聞かせていただきました。
ブラックフォーマルという特殊な市場において一定のシェアを保ち続けていることについて伺うと、「在庫を大量に抱えることが参入障壁になっていたんですよ」と。
小は5号から大は21号まで、10代から80代までの嗜好に対応し、プライスもピンキリすべてに対応する。そんな在庫の1シーズンの消化率は30%で、3シーズンでやっと90%消化する。

原価を切らない範囲でチョイ下げし、マークダウンを繰り返す。こうしたノウハウの蓄積が今日まで維持できている要因だと語られました。

高回転型ファストファッションの真逆ですし、このような業界は限られますが、牛歩のごとく地味で堅実な経営の在り方も、一つの生き方だと感心させられました。