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1997年9月初旬のパリを仕事で訪れた際、アルマ橋の袂にたくさんの花束が置かれているのを横目で通り過ぎた記憶があります。当時の私にとってダイアナの死は、「一セレブリティーの交通事故」程度の印象しかなく何の感慨も抱かなかったのは、遠い国のゴシップネタの一つに過ぎなかったからでしょう。もちろんダイアナが地雷廃絶や人道援助などの活動を行っていたことは知ってはいましたが、それもドディー・アルファイドとの豪華ヨットでのランデブーネタで、完全に相殺されていたものです。
しかし、この映画は全く違うダイアナを描き出しました。「世界が知らない本当のダイアナを描く感動の物語」と銘打つだけあって、電話記録、手紙などの調査や緻密な取材に基づいて、死の直前までの私の知らない人間ダイアナを見せつけてくれます。
実は心臓外科医との真実の愛があったとは!
彼女の本当の愛を成就させてあげたかったと心から思ったのは私だけではないでしょう。
そして、ファッション視点から見てみると多くのデザイナーたちが全面協力しているそうです。ヴェルサーチのブルーのドレスを始め、記憶に残る数々のドレスが再現されています。その他、靴やバッグはトッズ、ディオール、ジミーチュウ、ジャケットやコートはラルフローレンやイエーガー、ジュエリーはショパールなど。また王室が撮影を許可したケンジントン宮殿の正門やダイアナがジョギングするガーデンの貴重な映像も見逃せません。
生きていたら、お婆ちゃんとなったこの年に日本で公開される奇遇にも何かの因果を感じつつ、是非観てもらいたい作品です。
10月18日よりTOHOシネマズ有楽座ほか全国ロードショー予定。