©2014 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved.

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現在の韓国・釜山にある国際市場で古くからある露店「コップンの店」を営む老人、ドクス(ファン・ジョンミン)。立ち退きを迫られますが、頑として聞き入れません。それには訳があったのです。

妻のヨンジャ(キム・ユンジン)と語らうシーンから回想が始まります。

ドクス一家は、現在は北朝鮮の日本海側に位置する港町、興南から米・国連軍撤退とともに避難民として逃れ、釜山の国際市場でコップンの店という雑貨屋を営んでいる叔母を訪ねて、辿り着きます。当時まだ子供だったドクスは、中国人民解放軍が迫りつつある中、米軍の船に乗り込む際に背負っていた妹、マクスンの手を離してしまい、行方不明に。その妹を探しに行った父親とも別れ別れになります。この興南撤退作戦では、米軍のメロディス・ビクトリー号が兵器や弾薬を捨てて、1万人以上の避難民が乗り込むことができ、多くの命を助けたという史実が有名ですが、本作では、その内容をかなり忠実に再現しており、置いていった武器や弾薬を使われないように爆破する壮絶なシーンも収められています。

釜山で育ったドクスはその後、妹の手を離してしまった事を心の傷として背負い、「家族を守れ」との父の最後の言葉通りに、残された弟や妹、そして母の為に頑張ります。

西ドイツの炭鉱へと出稼ぎに。ガス爆発事故に遭い、生死の境をさまよいながらも、生涯の伴侶となるヨンジャとの出会いもあります。ベトナム戦争下のサイゴンでの仕事も命懸け。船長となる夢も捨てて、家族の為に働き続けます。

80年代初頭には、生き別れた父やマクスンの行方を尋ねて、離散家族の再会を手助けするテレビ番組にも出ます。

そしてまた現在の釜山へ。

子供達からは「古臭い店はやめろ」と言われ、地上げの誘いにも乗らず、コップンの店を続ける訳。それは父の最後の言葉の中に有ったのです。

朝鮮戦争、南北停戦からベトナム戦争を経て、現代までの韓国のある一家の物語。コップンの店を守る頑固一徹な老人の回想で綴られる本作は、終戦から立ち上がった戦後日本との対比で観るのも、趣があります。

5月16日よりヒューマントラストシネマ有楽町、シネマート新宿ほか全国順次ロードショー。

http://kokusaiichiba.jp/

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