文化学園が主催する第89回装苑賞公開審査会が4月21日、東京・新宿の文化学園・遠藤記念館大ホールで行われました。審査員には、デザイナーの岩谷俊和、コシノジュンコ、田山淳朗、廣川玉枝、丸山敬太、皆川明(当日欠席のため別日に審査・津森千里、菱沼良樹)の各氏を迎え、熱気みなぎる中、最終審査に残った16人の作品が披露されました。
見事、装苑賞に輝いたのは、文化ファッション大学院大学(以下・大学院)に留学中の中国人学生、ケイツボミさんで「メビウスの輪」をテーマにした作品でした。ケイさんには賞金100万円とパリのシャンブル・サンディカ・ド・ラ・クチュールへの留学資格、エールフランス航空からパリ往復航空券などが贈呈されました。
また佳作1位には、やはり中国人のフ・アヤさん(大学院)が入賞し、中国からの留学生の実力が伸してきていることが伺われました。この他、佳作2位には平戸麻鈴さん(文化服装学院)、イトキン賞には土井賢哲さん(大学院)、ルームス賞には木下翔平さん(大学院卒・社会人)が、それぞれ選ばれました。
今年3月のパリの合同展、トラノイやカプセル、ウーマンなどでも欧州のファッション系専門学校や大学を卒業し、そのまま残ってブランドを立ち上げた中国人デザイナーの出展が大幅に増え、存在感を増していますが、それだけ中国のクリエーティブレベルが先進国に近づいてきていることれと軸を一にしたことなのかもしれません。