
セブン&アイ・ホールディングスが2015-16年秋冬から、新プライベートブランド「SEPT PREMIÈRES(セット・プルミエ)」を発売すると、2015年3月4日に発表しました。衣料版のセブンプレミアムという事になります。2015-16年秋冬と2016年春夏の2シーズンのみ、「ジャンポール・ゴルチエ」とコラボし、「Jean Paul GAULTIER FOR SEPT PREMIÈRES」を販売するという事も大物デザイナーの復活と紙面を賑わせています。
既に多くのメディアが概要を伝えているので、ここでは割愛しますが、特に注目されるのがイトーヨーカドー、そごう・西武の、つまりGMSと百貨店の両方で同じものを販売するということです。同社が邁進している「オムニチャネル」戦略とも絡め、ECでの購入、セブン-イレブンでの受け取りも可能というシナリオです。
またパリコレ期間中、このプロジェクトのPRの為にコレクション会場に来られた同社の担当者は、「バーニーズジャパンでの販売計画も有り得るのか」との問いに「今秋冬という間近のプロジェクトだったため、間に合わなかったが、そうできたらイメージも良くなり、嬉しい」とコメントしました。
かつては商品グレードで大きくチャネル戦略が異なっていたものですが、この20年ほどの消費者の買い回りの変化を象徴的に表している出来事だと気付かされます。ハイブランドからユニクロまでTPOに合わせて購入する賢い消費者は、すなわち可処分所得の減少傾向に比例して、上手く使い分けをするようになってきた訳です。百貨店の中にユニクロや郊外型専門店を導入し、SCにはGMSとセレクトショップが同居する時代です。
しかし、販売チャネルが同施設内に混在してはいても、商品まで同じではなかったわけで、同一商品を異なるグレードの販売チャネルで売っていくという試みは、本当に稀有な例といえます。もっともタグを付けかえて同じ商品を売っていたという例は、数多有りましたが。
さて本来、百貨店やスペシャリティーストアは、商品グレードの高質性とともに接客レベルの高さから顧客満足と付加価値を提供してきたはずです。そして、その接客の濃さがセルフ販売との人件費コストの差を埋められる高価格帯の商品販売を可能にしてきた訳です。翻って、同一商品を売るとなると、チャネルによる人件費や家賃などの販売コストが違い、百貨店側がその損益分岐点の差を埋められなくなるという問題が出てくるのではないでしょうか。
その辺りを、どのように解消していくのか。新たな挑戦を見守りたいところです。
http://www.7andi.com/dbps_data/_material_/_files/000/000/001/718/20150304-2.pdf

















