デスペラード外観

業界人なら一度は訪れ、その世界観に圧倒されたであろうデスペラードが今年1月29日に閉店しました。
そして、ルックにおいてドリスヴァンノッテンをいち早く導入し、この店を率いてきた泉英一さんの退社。
新会社パノラマを設立し、3月16日に新生デスペラードがオープン。
ルック在職33年の蓄積からの飛躍を期す泉さんに話を伺いました。

デスペラードが変わった部分は?

セレクトショップからコミュニティーストアへと進化させます。物のセレクトの時代からヒトやコトの時代に移っていく気がします。
人が居てムーブメントが起こる。そんな店を想定してポップアップやお祭りができるように什器は全部可動式ですし、庭にはイベントでもポップアップショップでもギャラリーでも、色々とできる小屋もあります。9月にはショーもやります。

泉英一さん

泉英一さん

パノラマという会社は?

デスペラードの運営をメインにしつつ、3店舗くらいには広げたい。ブランドの卸事業もします。まずはロンドンのアクセサリー「スープ」と日本人の帽子デザイナー「フルサワ・マサカズ」の2つを扱います。
あとは外部契約のアドバイザー事業も行っていきます。

ポップアップショップや祭りの屋台にも

ポップアップショップや祭りの屋台にも

今の市場について

ターミナルは必ず人が通過しますよね。そこに店を出せば一定は売れる。そうして商業施設が街をダメにし、路面文化が死んでしまった。
人が住んで、行き交うから文化がある。文化の無い街は「マチ」とは言えないですよ。
全てが迎合してアンチテーゼやコンプレックスが無くなっている。セレクトショップも小割りして出して広げていった。
ある意味「薬中」でしょ? もう一度原点に立ち返らないとね。
今度やるインスタレーションはごみ箱と脚立を使ったものでタイトルは「クラッシュ&ステップアップ」。「捨ててしまえば、新しく作れる」という発想でね。
みんな守るものが増えて、重くなって動けなくなってくる。地位や名誉や経験を捨てたら、身軽になると思う。

デスペラード内観

今後も世界中からブランドを探してくる?

パリ、NYは外せないけどワンオプションを常に考えています。
シドニーだったり、デンマークやフィンランドだったり。
とにかく街を歩いて発見する。その方が早いですよ。展示会場は後回しです。

http://www.desperadoweb.net/

相変わらずの饒舌さで、街文化の大切さを訴える泉さんでした。