アンダーウェアにこだわって2009年にスウェーデンで生まれた「THE WHITE BRIEFS(ザホワイトブリーフス)」。オーガニックコットンを使用し、ブランド独自で製造した綿糸をインターロック編み(=両面編み)するなど、素材や製法にも徹底してこだわることで、着心地も見た目も上質なカットソーを紡ぎ出しています。デザイナーのPeter Simonsson(ピーターシモンソン)さんに話を聞きました。
シンプルなアイテムだけに差別化が難しいのでは?
パッケージやトリミングなどのディテール、ビジュアルの打ち出し方などで差別化していますが、クオリティーのレベルを見てもらえれば、その違いがより深く分かっていただけると思います。ただ、そういう見る眼のある方より、もう少し広範囲の方々に知ってもらいたいと考えています。
2014年春夏には「レディメイドプロジェクツ」のStephen Burks(ステファン・バークス)とのコラボレーション企画「A Free Man」(写真下)をオープニングセレモニーで行ない、デザイン的なアプローチもしています。
カットソーとして、優れている点は?
一度着ていただけたら、すぐに分かると思います。GOTS(オーガニックテキスタイル世界基準)の認証を受けたペルーのピマコットンを使い、1000人ほどの従業員がいるリトアニアの工場で染色、編立を行っています。この工場は、ソ連時代から続いていて、独立後、オーガニックに取り組んできました。ただ管理されることに慣れているので、我々がクリエーティビティーや始末などの水準向上を図ってきました。
なぜこのプロジェクトを始めようと思ったのですか?
20年以上に渡ってファッション業界に携わってきましたが、次のステップとして自分のブランドを立ち上げたいと思いました。
以前はスウェーデンのアンダーウェア「ビヨンボルグ」などでクリエーティブディレクターをしていましたが、パーフェクトなブリーフに出会えなかったことやマーケティングに共感できなかった部分もあり、オールドスクールやミリタリーをベースにしながらラグジュアリーでハイクオリティーなものが、どこにも無いと思い、作りたくなったのです。
日常使うものですから、実は一番身近で大事なところだからこそ、拘りたいという価値観に変わってきたのだと思います。
ファッション業界は、実は意外とファッショナブルではないのではと思っています。食や健康の分野の方がサスティナビリティーを意識して、それこそがファッショナブルなのだと。
キャサリンハムネットなどは20年以上前からリサイクル素材に着目していて、そういう点がファッショナブルなのだと言いたいです。
次シーズンには忘れ去られ、客が違うところへ行ってしまう。そんな業界を離れて考えてみた結果なのです。
日本の消費者に向けてメッセージを
どうぞ一度試してみてください。そこから評価してほしい。4年間やってきて、そのプロセスを経て積み上げてきたつもりです。
真摯に素材とクオリティーに取り組む姿勢に派手さはありませんが、内面的な豊かさに気付いた誠実な自信がみなぎっているように見えました。
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