「archaichic(アルカイシック)」は2018年、企業でファッションコーディネーター/デザイナーを経験した岩村明子が起業し、両親が営んできた地場産業の靴縫製加工を継承しつつ、職人の母と共に大阪市でスタートした。バッグを主軸にアパレルなどへも展開を広げている。
岩村は、「地域コミュニティーを形成してきた作り手と使い手が繋がり、学び合い、作り上げたアイテムを通じて、海外の人々が魅力を感じている日本の技術と文化を、次世代にも伝えていきたい」とブランド立ち上げの抱負を語る。そこには「地域の作り手と使い手の繋がりや日本の素材の良さを活かすデザインが減ってきた点」への懸念と憂慮もあった。アルカイシックを通じて「中小・小規模事業者やフリーランスとの繋がりを大切にしながら、日本の技術と文化を伝えていきたい」としている。主軸となっているバッグでは、技術者の長所を活かしたデザインと長く愛用できる仕様にアート的要素を取り入れるとともに、荷物の多寡やTPOに応じて用途を切り替えられるツーウェイ、スリーウェイ仕様にもなっており、さらに取り外し可能なオプションアイテムも用意した。日本らしいSDGsとは、作る前から学び合い、人を育てていくサーキュラーエコノミーデザインと捉え、日本の文化を伝えるイベントやリペア、アフターフォローも考えたオン・オフラインでのワークショップも始めている。
21-22年秋冬から22年春夏では、オーセンティックな原点回帰を提言。エレガントでありながら、日常的なアイテムにテクニカルなスポーティー要素を取り入れ、自然界を彩る光と影、透明度と強度、相反するカラーを強調。長く愛用できるシンセティック素材と天然素材を使い分けながらそれぞれの特性を伝える。さらに今季はハイブリットでありながら、懐かしいディテールも取り入れた。本革とビーガンレザーをミックスした立体アートバッグが33000円(以下税込)、手織技法のクラシカルファンシーツイードのがま口バッグが22000円など。繋がりアートTシャツは、33000円を予定している。
各アイテムは、松尾捺染、Room106 by advance leather factory、染工房「正茂」ほか、女性起業家と作り上げたホームページなど多様な協業により完成した。
岩村は、今後の展望について「日本各地で継承されてきた技術と四季折々の季節を彩る文化を伝えるブランドが少なくなってきた事に加え、海外からも注目されている日本らしい地域コミュニティーによる技術継承を伝えるエシカルファッションブランドは、これから益々市場性があると判断している。さらに日本のハイテク技術と伝統技法の両方を取り入れながら長く愛用でき、地場産業との協業によるデザイン提案により、人にも自然環境にも優しいエシカルファッションブランドとして差別化を図っていきたい」と話す。
<秋冬展>未定
<問い合わせ先>
担当 ; 岩村 E-mail info@maodesign.jp TEL 050-5359-1110
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