左が兄のダビッド、右が弟のミカエル

左が兄のダビッドさん、右が弟のミカエルさん

パリで確固たる地位を築いた展示会「TRANOI(トラノイ)」を牽引してきたアディダ兄弟は、バーチャルショールーム「BE TO SEE(ビー・トゥ・シー)」(http://cubocci.com/topics/4255/)の立ち上げに当たって、兄のダビッドさんがリアルな展示会、弟のミカエルさんがバーチャルショールームと担当分野を明確にし、取り組みを強化していきます。二人三脚の二人に『Journal Cubocci』が独占インタビューしました。

ビー・トゥ・シー立ち上げの経緯は?

<ミカエル>10年間、トラノイに携わってきましたが、こういったプロフェッショナルに向けた仕事が革命的に変化してきたと考えています。特にセレクトショップや品揃え専門店市場が縮小したこととiPhoneやiPad、スマートフォンといったデバイスによって大きな変化がもたらされ、市場の進歩が激しくなっています。そして力を持っているのは購買する消費者であり、彼らが明日の行方を決めているという状況になっています。これらのデバイスによって消費者は即時にコレクションを見ることができ、購入行動に移れます。

しかし今までデザイナーは6週間掛かってコレクションサンプルを平均60型作り、バイヤーは平均6型しかオーダーしないので、54型が無駄になっていました。つまりマーケットにはデザイナーではなく、バイヤーが決めたものが流れていくという構造だったわけです。これをビー・トゥ・シーは一般消費者に60型すべてを見せるという形で革命を起こしたいと考えているのです。現在400ブランドが参加しますが、事前にライク(イイね)してもらうことで、マーケットでの評価が事前にわかる。つまりマーケットを確実に理解することができる訳です。

雑誌のように見せ、トレンドを提供しながら、ショールームでもあり、ショップでもあるという仕組みを作ります。「最終消費者が決定者であり、キングである」という視点でみんなに使ってもらいたいと思っています。タブレットやスマホの端末用のアプリ(http://betosee.com/apps)も用意しました。アプリでは卸価格を表示せず、消費者が手軽にアクセスできます。また9月から本格スタートしますが、その時点でEコマースも可能にしますし、英語だけでなく日本語表示も作ります。

9月からトラノイショールーム(http://cubocci.com/topics/4746/)を復活させますね。かつて2010年に2回、トラノイショールームを実施し、休止しましたが、何故止めたのですか?

<ダビッド>10年に実施した時は、非常にタイミングが悪かったと思います。08年のリーマンショックや10年初頭のギリシャ危機に端を発した欧州金融危機の影響など経済環境もありましたが、それ以上に政治的な問題というかメンタリティーの問題がありました。それは、既存の他のショールームからコンペティティブな活動だと見られてしまったという事です。

しかし9月26日~10月3日に8日間、HOTEL DE MORNYで開くトラノイショールームは、セレクションも特別なものですし、また出展料のみで営業手数料を取らないシステムなので、他のショールームを支援することになると考えています。トラノイのレベルは常に独占的でハイレベルですが、トラノイショールームは、より上のクオリティーとホスピタリティーを持った「Exclusive Tranoï club(エクスクルーシブ・トラノイ・クラブ)」と名付ける予定です。期待してください。

http://www.tranoi.com

トラノイプレビュー

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