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植物園内の会場だけに自然が豊かなプレイタイム・パリ

パリの子供服合同展は、27回を数える大型トレードショー「プレイタイム・パリ(playtime paris)」と小規模なクリエーターのトレードショー「キッド・アパートメント(KID・ APARTMENT)」が復活を果たしてから3回目の開催を迎えた。<データはグラフと表を参照のこと>

1月25~27日、パリ南東部郊外、ヴァンセンヌの森にあるパルク・フローラル見本市会場で開かれた第27回プレイタイムには466ブランド(前年同期比16.6%減)が出展した。うち初出展は102ブランド。昨年同期に少しだけ持ち直した出展者数も、今回は一気に減らした格好だ。

来場者数は前年同期比22.7%減の5590人で、これまでの微減傾向から大幅減となった。内訳はフランス国内が46%、海外が54%と例年通りの傾向。フランス以外の欧州からは40.6%で、アジアは8.3%(前年同期は6.7%)を占めた。欧州の来場国順位は、ベルギー、オランダ、スペイン、英国、ドイツとなり、前回から姿を消したイタリアは圏外のまま戻ってきていない。欧州域外では韓国が米国と並んで1位となり、日本は一昨年2位、昨年の4位から3位に浮上した。次いで中国、ロシアの順だ。

セバスチャン・ド・ユッテン代表(ピカフロール社)

主催するピカフロール社のセバスチャン・ド・ユッテン代表は、出展者を大幅に減らしたことについて「経済環境の問題もあるが、市場の規模に対して展示会が大きくなり過ぎた。国際的なマーケットにおける需給バランスを保つことを考えても、この規模が適正だと思う」と大手ブランドの倒産・廃業の事例も上げつつ語った。さらに「展示会を大きくしようと考えず、視点を変えて取り組んでいるのがバーチャルショールームのマーケットプレイスで、現在655ブランド、3047人のバイヤーが登録しており、年2回のリアルな出会いの場と通年で長く出会えるマーケットプレイスの両軸で考えていく」と今後の戦略を披露した。「予算も少なく規模の小さいクリエーターには、PRやSEO対策でも限界があり、グループで動くことが大切だ」として、マーケットプレイスの活用を勧めていくそうだ。

第6回「キッド(kid)」が43ブランドを集めて2017年7月に開催され、これを最後に開催中止して1年半後の昨年1月に「キッド・アパートメント(KID APARTMENT)」が立ち上がった。3回目を迎えた今回は、27ブランド(前年同期比58.8%増)が参加し、プレイタイムより1日長い、1月24~27日にマレ地区で開催された。さらに同地区の12(前年同期7)の個別ブランドのショールームをネットワークし、「キッド・ショールームス(KID・SHOWROOMS)」として連動を図った。マレ地区の地図にそれぞれのショールームを落とし込み、バイヤーを回遊させる仕組み作りが根付いてきたようだ。

全体としては、出展者数、来場者数ともにトレードビジネスの縮小傾向と軌を一にするトレンドとなったが、この傾向にいつ歯止めが掛かるか、いや掛からないかもしれないが、その辺りについては今後とも注視していきたい。

プレイタイム・パリのアーテイストコーナー「エスパス・クレアティフ」

続いて、日本からの出展者をリポートする。プレイタイム・パリには日本から5ブランドが出展した。

最古参となる12回連続出展の「タゴ(tago)」は、前年同期からプレイタイム1ヶ所に絞り込んだが、前回の春夏展と同様、秋冬も来場者減に悩まされたようだ。モナコの既存店が「あなたの為だけに来た」との力強い言葉に励まされ、受注を確保。フリースのワンピースやパグのモチーフトレーナーやパーカーに反応があったという。

3回目の出展となった「フォークメイド(folk made)」は、プレスの反応が良く、クリスマス号に掲載されたのも影響した様子だ。既存と新規含め、中国、台湾、韓国、ドイツ、フランス、スイス、米国、カナダなどから反応が取れたという。評判が良かったアイテムはニットとカッソーの切り替えや毛足の長いボアのケープ調コートなど。

同じく3回目の服飾雑貨「オーシャン・アンド・グラウンド(OCEAN & GROUND)」は、人気のデイパックを前面にしつつ、ビンテージ、リメイクテーストのウェア「グラニー・ブランケット(granny branket)」も披露。こちらも反応が良く、フランス、オランダ、イスラエルなどから受注が取れそうだ。バッグも25件近い反応が取れたという。

以前、別ブランドで出展経験もあり、3年振り2回目の出展となった「エルフィン・フォーク(eLfin Folk)」は、既に米国、中国などに既存取引先があり、今回は新規でイタリア、オランダ、ベルギー、韓国などからも反応が取れ、さらにはフランスのギャラリーラファイエットの訪問も受けたようだ。会期中にマーケットプレイスで中国からオーダーが入るなどバーチャルショールームとの連動も確かのようだ。手編みのニットマントなどフォークロアテーストに手応えがあったそうだ。

2回目の出展となったドレスブランドの「ローラ(Rora)」は、ブースの端から端までの作り付けの舞台に、10体ほどのトルソーを2段で見せる大胆なディスプレイが好評だったようだ。カナダ、台湾、韓国に加えて、新規でロンドンの4件、スウェーデン、ルーマニアなどから反応があった。黒のドレス系やチュール素材が評判良く、次回出展にも意欲を見せていた。

2層でこじんまりとした落ち着いた雰囲気のキッド・アパートメント

キッド・アパートメントには英国のパドラーズ・ショールームが日本ブランドをまとめて出展。「イースト・エンド・ハイランダーズ(EAST END HIGHLANDERS)」はこの1年間、踊り場だったが、今回はまた増やせそうな勢いを感じているそうだ。特に大手小売業の少ないベルギーは個店が多く来場しており、ドイツからも新規を探しに来ている。リバーシブルのブルゾンやパディングコートなどに当たりがあったという。

「フィス(FITH)」はアジアでの知名度が抜群と感じる事が多いそうだ。柔らかい素材のカットソーやキルティングのフーデットコートに反応があった。この他「タイオン(TAION)」「ザ・パーク・ショップ(THE PARK SHOP)」「アツヨ・エ・アキコ(ATSUYO ET AKIKO)」が参加した。

ザ・パーク・ショップ

アツヨ・エ・アキコ

タイオン

個別ショールームでは、「ボントン(BONTON)」「フィンガー・イン・ザ・ノーズ(FINGER IN THE NOSE)」「ウォルフ・アンド・リタ(WOLF & RITA)」「ベルローズ(BELLEROSE)」などが参加した。

日本ブランドのパリからの進出規模という点では一進一退の様相だ。ただトレードビジネスが縮小傾向とは言っても、ピッティ・イマジネ・ビンボとプレイタイム・パリの存在感は、いまだ大きい。「インターナショナルにデビューする場」としてのパリの位置付けには、メンズ、ウィメンズ含め、「それほどの揺らぎは無い」というのが実感だった。