イタリア植物タンニンなめし革協会は、世界各地のファッション関連学校の生徒がトスカーナ産地での研修と作品制作発表及び審査を行う「クラフト・ザ・レザー2013」のプロジェクトを開催しました。参加校は15校でミラノのドムスアカデミー、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アーツとカレッジ・オブ・ファッション、ニューヨークのFITなどが参加し、日本からは東京の文化服装学院とヒコ・みづのジュエリーカレッジが加わりました。
今年4月に各校から選ばれた合計10名の学生とその教員がトスカーナ産植物タンニンなめし革の世界にどっぷりと浸かる1週間を過ごしました。トスカーナの皮革産業集積の中心に位置するサンミニアートを拠点にタンナーの仕事場を訪れて、加工の様々なプロセスを学ぶだけではなく、排水の集中浄化施設を見学して産地の環境保全の取組みを理解し、試作技術センターを訪れて品質管理のシステムや品質保証の仕組みについての説明を受けました。この1週間の研修を通じて、さまざまなタイプの植物タンニンなめし革を知り、加工処理技術についても機械処理と手作業の両方の技術を研修し、熟練職人やなめし技術専門家によるワークショップに参加しました。最後のクリエイティブワークショップでは学生たちに各種の皮革素材や工具、処理剤が提供され、自分なりの加工や仕上げを試しながら、想像力を自由に羽ばたかせる機会が与えられました。そして、それぞれの学生にタンナーが割り当てられ、そこの製品の中から素材を選んでプロジェクトの最終制作を行うことに。こうして植物タンニンなめし革の持つ特性を十分に生かせるようなテーマを選び、ファッションアクセサリーのミニコレクションを制作。それらの作品は今年9月のプルミエールビジョン・プリュイエル内で開催された見本市のル・キュイール・ア・パリで展示されました。最終的にはヒコ・みづのジュエリーカレッジの吉川英佑さんが最優秀賞に選ばれました。
http://www.pellealvegetale.it
吉川さんの最優秀賞
