モナコ公国がフランスとの関係悪化で、最大の危機に瀕するのが1962年。アルジェリア戦争で多額の戦費調達に苦労するフランスのシャルル・ド・ゴール大統領は、モナコに逃避する仏企業への課税だけでなく、モナコ企業への課税も要求し、国境封鎖から軍事占領へと進むかに見える様相を呈してきます。そんな中、ハリウッドから嫁いだグレース・ケリーは、国民からの冷たい視線や夫、レーニエ3世との衝突などに苦しんでいました。そして、モナコを救うために最後の賭けに出ます。ニコール・キッドマン演じるグレースの凛とした姿とヒューマンスピリッツに溢れた「最後の賭け」と称される演説には、多くの人々を魅了してやまない彼女の本質的な美しさが滲み出ていました。ともに交通事故で若い生涯を閉じたという共通点もあり、以前公開された『ダイアナ』と重ね合わさるような部分も多々あるでしょう。プリンセスという特別な影響力を持つ地位にあるからこそ、でき得る人として最良の選択をしてきた、ある意味偉人と言えるかもしれません。彼女の良き理解者でもあるヒッチコックと牧師の二人の脇役が語るセリフの行間にグレースへの温かい愛情が観てとれる点も心洗われる一面です。10月18日からTOHOシネマズ有楽座ほかロードショー。
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