アンジェラ本人

太いボーダーのカラフルな手塗りシューズ「The Office Of Angela Scott(ザ・オフィス・オブ・アンジェラ・スコット)」は誰の目にも印象に残ります。そんな可愛らしい女性目線の靴を作る米国のデザイナー、アンジェラ・マリー・スコットさんに話を聞きました。

 靴に興味を持ったのは?

小さい頃、家具を作っていた祖父が、いつもキチンとした身なりでスーツにネクタイ、そしてビスポークのグッドイヤーウェルト製法(グッドイヤー)の靴を履いていました。歳を重ねてもクリップタイやボウタイなど、とてもおしゃれで素敵だったのです。デニムを履いているところを見たことがありませんでした。そして祖父が履いている靴を見て興味を持ったのです。

祖父は、ビスポークの靴のヒールに施された長めのパンツが引っ掛からないように配慮された「ジェントルマンコーナー」の事などを教えてくれました。ですから私の今の靴のデザインにもジェントルマンコーナーを採り入れているのです。

 靴作りへの道は?

子供の頃からデザインには興味があったのですが、クリエーティブな家族ではなかったので(笑)、ファイナンスなどを勉強しました。デザイン学校にも行ってませんし。大学のインターンで「アグ」に行きましたが、PR部門でした。勉強したのは、全て自身で工場に出向き、実践的に学びました。

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 手塗りが特徴的ですが

スタイルとしては落ち着いたものでも、インパクトの強いものを作りたかったのです。全てハンドメイドのグッドイヤーですが、手塗りまでできるかは工場としても、とてもチャレンジングなことでした。

子供の頃、兄が気に入って着ていたのがボーダーのポロシャツで、しかも太いボーダーでした。それを思い出して、完成品にボーダーを手塗りしてみたのです。しかも1本だけ、わざと底にも塗ってね。レザーの底はナチュラルしか見たことなかったので、色を何としても入れたかったの。

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日本の市場を、どう見ていますか?

日本の消費者は、ファッションも詳しいし、好きな物を分かっていると思います。ただ、もう少し派手な色に人気があるかと思っていたのですけど、意外とクリーム、ブラック、ブラウンなどトラディショナルなものが受けている気がします。

米国はいろんなスタイルが存在していて、マーケットは広いと思うのですが、日本は流行が左右する要素が大きくて、入口が狭い気がします。

ただ流行のタイミングを気にしていたら、単なるプロダクトになってしまいます。ブランドと言われるものは、常に自分のデザインを持ち続けていて、ラグジュアリーメゾンだって20年位掛かっているのですから、私もぶれずに続けていくつもりです。

 最後に日本へのメッセージを

私は、日本のマーケットからもインスパイアされることが多いです。それだけにもっとエキサイティングに色使いでも形でも、ファッションを遊び楽しんでほしいと思います。

http://currenttokyo.co.jp/brandlist/angelascott/

http://theofficeofangelascott.tumblr.com/

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