銀座パネル2 銀座パネル1

銀座街づくり会議は6月9日、「銀座街づくり会議の課題とヴィジョン+デザインレビュー2014」と題した報告会と講演、パネルディスカッションを行いました。

2013年度の活動報告の後、小林博人慶応義塾大学教授による13年度のデザインレビューに関する講演では、街づくり会議が行ってきた協議事例の中から特徴的なものを抜粋して写真を見ながらレクチャーしました。

07年から8年間の推移をみると「新築建築物」が約4割を占めていたのが14年には7.5%まで割合を減らし、代わって「広告デザイン」が約2割から約6割へとシェアを高めているのが実態として浮かび上がりました。これは同会議が「銀座デサインルール」を作り、任意団体のため、行政のような強制力はありませんが、中央区と連携して街づくりの在り方を提言し、実際の銀座の街で営みを行う企業や地権者との間で「銀座らしさ」を追求してきた一定の成果と言えるでしょう。

小林教授

小林教授

小林教授は講演の中で「街並みとの調和を考えたファサードデザイン」「広告物の数」「さまざまな表現方法」「デザインの質」「LED照明、光の強さ・質」といった観点から問題点を指摘し、今後の課題を提示しました。

パネルディスカッションでは、中島直人慶応義塾大学准教授が「銀座のスピリットを次につなげていく事の重要性」を指摘、都市プランナーの蓑原敬氏は「法律や行政の拘束力からではなく、日本人独特の和の文化からこういった調和を成立させる仕組みは海外から理解できないことだろう」とその画期性を強調しました。一方、銀座の構成メンバーを代表して、岡本圭祐・同会議評議会副議長は「広告のコンテストなどもあっても良い。またBRTからLRTへの展望も行政とともに進めていきたい」、三枝亮・同評議員は「CSRや環境への取り組みを重視していきたい」とそれぞれに抱負を語りました。

「銀座」という街の持つ歴史や地域性と世界のスーパーブランドが並び立つグローバル性の狭間で商業や広告と街の雰囲気のバランスをどこで保つのか。「銀座らしさ」という言葉が随所に飛び出してきましたが、明確な指針を表わせない曖昧さゆえの虚ろさを感じざるを得ません。独り善がりにならない「銀座らしさ」の意思統一と啓蒙を地道に続けていく必要がありそうです。

http://www.ginza-machidukuri.jp

銀座例1 銀座例2 銀座例3 銀座例4 銀座例5 銀座例6