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国内産地の疲弊を顧みて、ブランドを立ち上げた「TH_READ(スレッド)」の計良陽介さん。東京都が実施した「2014年TOKYO STARTUP GATEWAY(TSG)」のセミファイナリストにもなり、サイバーエージェント・クラウドファウンディグの「Makuake(マクアケ)」を活用して、支持者を募り、広げていく活動を始めました。起業化支援のような現代的な枠組みを利用して、目指すは古い繊維業界の支援。計良さんに話を聞きました。

TH本人

なぜ、このような取り組みを?

繊維業界で働く人が減っていく中で、このままでは日本が洋服を作れない国になってしまうという危機感があります。パリのエスモードで学び、いくつかのメゾンに師事し、ヨーロッパで暮らしている中で、日本の在り方を見つめ直す良い機会だったと思います。

そして近年、多くのアパレル企業は海外生産の方針を打ち出し、日本の職人を殺してきたのではとつらい気持ちでいました。その後、円安の今になって、国産回帰。非常に矛盾を感じています。

しかしジャパンテキスタイルの魅力ある作り手は、まだ残っていますから、それを物作りの基軸に据えて発信していきたいと考えました。

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どのように広げていきますか?

今後は型数をもう少し増やして、予約販売会を開いていきたい。そして洋服にとってのトレーサビリティー、つまり「どこで誰がどうやって作ったのか」が物を持つ価値になるような取り組みとして広げていきたいです。

ヨーロッパに住んでみると、日本国内で100年、200年と歴史を持っている川上の企業の素晴らしさが良く分かります。この人達と一緒に物作りをやって、100年、200年と続くブランドを作りたいと思っています。

計良さんは、山形県・米沢で作られるシルクのシアサッカー地を使い、都内で一流の手を持つ縫製工場の職人が仕立てるジャケットなどを商品化し、マクアケや「CHALIE VICE(チャーリーバイス)」で販売しました。ネットでの販売と店頭でのトランクショーの両面から、人の手のぬくもりを伝えてくれることでしょう。

http://www.thread.tokyo

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