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この映画は、実話を基にしたストーリーです。
南北戦争前のアメリカ北部。白人と同等に生活する自由黒人のバイオリニストが家族と幸せに暮らしていました。しかし、ニューヨークでの公演後、興行主たちに騙されて南部に売られてしまい12年間にわたって、黒人奴隷として悲惨な体験を強いられます。しかし彼は「必ず妻と子供たちのもとへ帰る」と希望を捨てずに生き延びることを選びます。そして見事、12年後に家族のもとに帰還するのですが、このような境遇から生還した人は数少なかったそうで、貴重な黒人奴隷の側からの歴史の証人として自伝を残しました。この1853年に発刊されベストセラーとなったソロモン・ノーサップの回想録は、読み書きを含め、教養のある黒人だからこそ完成できたものかもしれません。
特にこの映画では、ディテールが再現されており、地面すれすれで首を吊るされて数時間も苦しむ主人公の姿とその周りで遊ぶ黒人奴隷の子供の常軌を逸した場面。いや正しくはその時の彼らにとっては、主人公と関わらないことが自身の身を守る唯一の方途だったのだから責められるものではありません。また鞭打ちのシーンは、目を覆うばかりです。しかし、歴史の真実から目をそらす訳にはいきません。そこから何を学んで、後世に生かすのかを考えるのが、現在を生きる者の務めではないでしょうか。
3月7日からTOHOシネマズ みゆき座ほか全国ロードショー予定。
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